音大卒の生徒さんのその後、伴奏のこと

6月13日武蔵野公会堂、Tubaでソロ活躍中の知人、藤田くんのリサイタルを聴きに行ってきました。彼は国際コンクールにも入賞している優秀なソリストです。

伴奏者は元スタジオレッスン生の橋本さんです。東京音大ピアノ科を受験し進学、在学中から伴奏活動を始め卒業後はプロの伴奏者として活躍。

今では国内外のコンクールやオーディションやリサイタル、フェスティバルの公式伴奏者も務めるピアニストです。

 

彼女はいつも次々に伴奏の仕事が入り、膨大な量の楽譜の譜読みや合わせや本番に追われています。

ただ私は、これまでに何回か演奏を聴きに行き、やはりまだ技術的・音楽的両面で課題があるなと感じていました。また、日々仕事に追われていて自分のソロの勉強などができないため、音楽的に成長していくのはやはりなかなか難しいのだなと思っていました。

 

しかし今回の演奏会では違いました。練習時間もろくに取れない中いろいろな場で本番をこなし、また海外の一流の演奏家からの厳しいコメントを頂いたりするうち、やはり彼女は成長していたのですね。

 

ピアノとの音の融和が難しいチューバの伴奏ですが、今回はその場に応じての音色の変化、高音と低音のバランスなどのコントロールも良くなってました。

またテクニックもさすが現場で日々鍛えられているという印象。ぐんぐん弾き込みながらも練れている音で、日頃の演奏活動の成果を窺わせるものでした。

さらにソロ楽器に合わせるだけでなく自分の音楽を表現してソリストとコミニュケーションしようとする姿勢にも成長が見られ、彼女が伴奏者としてまた一段階上がった気がして、私はとても嬉しく感じました。

 

成長による変化というのは、外から見ると突然来るような感じがするものですが、さまざま悩みながらも本番を多く経験することで内面は育てられていて、ある時急にそれが演奏に表れてくるものなんですね。

 

今後のさらなる活躍を期待したいです。